今日からしばらく、3月4日にYAPC::Kansai(ヤプシー・カンサイ)というコンピューターのイベントに参加した思い出を綴っていこうと思う。
と言っても、コンピューターにもPerlにも関係ない大阪よもやま話が続くのでご寛恕ください。

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YAPC::Kansaiというのは、YAPC::Japanというイベントのシリーズの一環として、大阪で開かれた。
YAPCというのはYet Another Perl Conference(またもう1つのPerl会議)というもので、Perlというプログラミング言語が好きな人が、いろいろ技術を発表する大会議、お祭りである。

今回ぼくはゲスト・スピーカーというものに招聘された。
ビックリビックリである。
ぼくはもともとハッカー・コミュニティ(コンピューターが好きで得意な人が集まること)にほとんど縁がない。
引きこもってヌルい技術を研鑽し、ポツリポツリとヌルい本を出してきただけだ。
拙著『すぐわかるPerl』を1999年に発表してから、結構数多くの人に愛され、読み継がれてきたから、今回『温故知新』というテーマで開催されたYAPCに呼ばれることが叶ったんだろう。
ありがとうございます。

それで、昨年12月末に(おりしも入院中)ゲスト・スピーカーの大任を承ったのだが、特にテーマの指定もなかった。
YouTubeにアゲられている過去のスピーカーのみなさんのセッションを見ると、とても高度な話をしていて、中には半分ぐらい分からない話もあって、こんな話をしないといけないのかと泣きそうになった。
でも、どうせヌルい本の著者として呼ばれたのだから、ヌルさを極めたセッションをしようと思った。
あと、大阪という中小企業が多い土地柄を踏まえた話、というキーワードがひとつあったので、まさにこの自分が長く中小企業で勤めてきた中で、Perlでいかに自分と同僚を助けてきたか、もうちょっとこうすれば効率よく助けられたのに、という反省を踏まえて、話をすればいいような気がした。
プレゼンの内容は昨日公開した通りである。

プレゼン、プレゼンと言うが、要するにWindowsのパワーポイントやmacOSのキーノートのように、電子紙芝居形式のファイルを作って、それをスクリーンに映して話をするのが最近は主流である。
要はAppleの新製品発表会とか、ああいうものを想像すればいいだろう。

ぼくは聴衆の一人として、あのパワポ形式のプレゼンが苦手であった。
まず、部屋が暗くなるので、眠くなる。
(今回使ったMOTEXさんのような素晴らしい会場になると、スクリーンははっきり見えるが客席は暗くない)

パワポのプレゼンは、電子紙芝居であるから、一方的に話が進む。
あまりにもスムーズに話が進むので、「ほんとかよう」と思うこともある。
理科の授業とかをパワポ化するという話があるそうだが、そうすると生徒はますます質問、ツッコミが入れられなくなるのでやめた方がいいのではないか。

中にはアニメに凝ったり、一面びっしり字を書いたりしている人もいる。
どうも、ぼくという人間も歳を取ってきて、新しいものに意味もなく抵抗感を覚えているだけかもしれないが、あれも、苦手だ。

ぼくは前に中小企業でセミナーをやっていたときは、簡単なプリントを配って(プリントもある程度凝って、メモコーナーとか練習問題とかを作っていた)、白板に図を描きながら講義形式でやっていた。

今回めずらしくパワポを使ってプレゼンをやったのだが、まあでも、あの大人数を前に、結構詰まった時間の中で効率よく話をしようと思えば、やっぱりパワポしかないだろうなあと思った。
一応、あまり字を詰めないように、あまり構成を凝らないように(っていうか凝れないだけだけど)考えて自分のプレゼンを作った。

プレゼンの後に、DanKogaiさんが「Macでパワポっていうのが新鮮だな」とポツリと言われた。
そうなのである。
ぼくはもともとWindowsで話をするつもりだった。
なかばそのためにThinkPadを新調したりしていたのである。
Bash On Windowsを使って、WindowsマシンでもバリバリUNIX流に使える、ということを示すために、環境を整備していた。

しかし、なかなかうまくいかなかった。
具体的に言うと、EmacsをXでうまく動かせなかった。
mozcをビルドすると、インラインでGoogle日本語変換ができると思ったのだが、それができなかった。
Xを使わずにemacs -nwで動かすことはできたのだが、いろいろ細かい不具合がある。
るびきちさんの言う「WindowsでEmacsを動かすのは茨の道」という言葉をひしひしと感じた。

ということで、Windowsでプレゼンするつもりで、途中までWindowsで作っていたパワポのファイルを、わりと本番直前になってMac版のパワポで開いた。
ほとんど不具合はなかった。
フォントの問題で絵文字が化ける(絵文字は絵文字でもゼンゼン違う表情のになる)という不具合があったが、アップルカラー絵文字の方が表情が豊かで使いやすいので、これはMacの方がいい。

ということで、Macでパワポのプレゼンを作って、Emacsでちょっとライブコーディング的なデモをする準備をして、時間内に収まるように練習した。
さいしょはしょうもないギャグがいっぱいあったりしてスライドの枚数が倍ぐらいに膨らんでいたのだが、どんどん削っているうちにかえって内容が締まってきた。
これはぼくに関する執筆あるあるである。

ということで、いちおう準備はできた。